変貌するアート市場と新たな可能性
皆さん、アートって遠い存在だと思っていませんか？
実は今、私たちの身近なところで大きな変化が起きているんです。最新の事実と共に、そのトレンドをご紹介しましょう。
スマホが開く新しいアートの扉
「スマホでアート作品が買える時代になりました」と語るのは、オンラインアートプラットフォーム「Artsy」のCEO、マイク・スタイナー氏です。
実際、オンラインアート市場は2021年に134億ドル（約1.5兆円）に達し、前年比41%増を記録しました（Art Basel and UBS Global Art Market Report 2022より）。
若い世代を中心に、スマホでアートを購入する人が急増しているんです。
NFTアート、一過性のブームじゃない
2021年、NFTアート市場は爆発的な成長を見せました。有名なデジタルアーティスト、Beepleの作品「Everydays: The First 5000 Days」が、クリスティーズのオークションで6930万ドル（約75億円）で落札されたのは、記憶に新しいですね。
「NFTは、デジタルアーティストに新たな可能性をもたらしました」と、NFTアーティストのパク・マックイーン氏は語ります。2022年以降、一時の熱狂は落ち着いたものの、NFTアート市場は着実に成長を続けています。
従来のアート市場も健在
デジタルの波が押し寄せる中、従来のアート市場も健在です。2022年5月、アンディ・ウォーホルの「Shot Sage Blue Marilyn」が1億9500万ドル（約210億円）で落札され、20世紀の作品として最高額を記録しました。
クリスティーズのアジア太平洋地域プレジデント、フランシス・ベリン氏によると、「アジアのコレクターが積極的に参入し、市場に新たな活力をもたらしています」とのこと。
社会を映す鏡としてのアート
環境問題や社会正義を扱うアートが増えています。例えば、アイ・ウェイウェイの難民問題を扱った作品や、オラファー・エリアソンの気候変動をテーマにしたインスタレーションなどが話題を呼んでいます。
テート・モダンのキュレーター、キャサリン・ウッド氏は「アーティストたちが、より直接的に社会問題に向き合うようになっています」と指摘します。
テクノロジーが広げるアートの可能性
VRやARを使ったアート体験も広がっています。例えば、チームラボの没入型デジタルアート展示は、世界中で人気を集めています。
「テクノロジーは、アートの創造と鑑賞の両面で革命を起こしています」と、MoMAのメディア・アンド・パフォーマンス・アート部門キュレーター、スチュアート・コマー氏は語ります。
アートの本質は変わらない
テクノロジーの進化やマーケットの変化の中で、アートの本質は変わりません。
アート・バーゼルのグローバル・ディレクター、マーク・シュピーグラー氏は「アートは依然として、人々に感動と新しい視点をもたらす力を持っています」と強調します。